骨粗鬆症の薬物治療

秋の気配が深まる中いかがお過ごしですかもろおか整形外科の諸岡です。
今回は骨粗鬆症の薬物療法のお話です。
現在、治療薬で使われるのは内服薬と注射薬があります。
骨粗鬆症の治療薬は3種類の作用に分けられます。
(1)腸管から骨へのカルシウムの吸収を促進し骨を丈夫にする薬。活性型ビタミンD3製剤がこれにあたります。
(2)骨を壊す働きを遅らせる薬。ビスフォスフォネート製剤:骨密度を高めるのに最
も有用とされている薬。塩酸ラロキシフェン:エストロゲンに似た作用で骨の質を良くする薬。 カルシトニン製剤:エルシトニンと言われる注射薬で骨を丈夫にすると共に背部、腰 部の痛みをとる効能もある注射。
(3)骨を作る働きを促進する薬。ビタミンK2製剤:マイルドですが骨形成を促進 させ る薬。テリパラチド:骨折を繰り返す重症の方に使用する注射薬。とても速い骨形 成をうながします。現在整形外科では主にこれら3~4種類の薬、2種類の注射 等を患者さんの症状で使 分けて予防、治療をすすめています。気になる症状のある方はまず近くの整形外科 に相談の上、診断されたら早期に予防を開始することが大切だと思 います。過ごしやすい秋から運動、散歩など始めて見て下さい。

骨粗鬆症の運動療法

厳しい暑さが続いていますが如何お過ごしですかもろおか整形外科の諸岡です。
今回は骨粗鬆症の治療の運動療法のお話です。みなさんは宇宙飛行士が宇宙から帰って
くると骨量が減っているという事聞いたことがありますか。これは骨の強度と負荷 の関係を物語っています。
骨にある程度の負荷をかけた方が骨密度は上がります。骨を丈夫にする運動はある 程度体に負荷のかかる運動(球技、ダンス)です。習慣にしている方は良いですが、
40代以降いきなり強い負荷のかかる運動を始めるとかえって逆効果になることがあ りますのでまずはウォーキング、速歩 のような運動でこれをある程度時間をかけ持続することで十分効果を発 揮します。
また同時に筋肉が鍛えられ転倒予防にもなります。
ちなみに成長期は運動により効率よく骨量を増加させられます。特に女性は中学時代の運動が効果的です。ピークを向かえる30代までに最大骨量を高めておくことが大切 で す。
次回は薬物療法についてにしましょう。

骨粗鬆症の予防治療

6月に入り紫陽花が美しい季節になりました。もろおか整形外科の諸岡です。今回
は前回の続き骨粗鬆症の予防治療についてです。日本は超高齢化社会に入り骨粗鬆症
の方が増えてきています。 大切なのは早期からそれに気付き予防を開始することで
す。予防治療には食事療法、 運動療法、薬物療法の3つがあります。もっとも大切
でだれもが今すぐ始められるのが食事療法です。 人の肉体(骨、筋肉、臓器)は摂
取する食事から作られるので自然で良質な食事をバランスよく適切な量を取ることが
大切です。骨に必要な栄養素に関して言うとまずカルシウム(骨の増加)ビタミン
D(カルシウム吸収の補助)ビタミンK(良質な 骨に必要なたんぱく質を作る)マグネ
シウム(カルシウムと骨との結合補助)ビタミンC(骨の基礎たんぱく質の合成補
助)ビタミンB,葉酸(骨の基礎たんぱく質の強化)イメージ的には和食の朝食でほう
れん草の胡麻和え(マグネシウム、カルシウム)焼き魚やしらすに大根おろし(カル
シウム、ビタミンD)納豆(ビタミンK)豆腐 の味噌汁(たんぱく質)などです。食
の欧米化が進んでいますが日本食の方が日本人にとって健康的に摂取できるようで
す。中年の方は過剰摂取には要注意、適量が大切です。ご高齢の方は栄養不足になら
ないように注意しましょう。 次の運動療法は次回にしましょう。

骨粗鬆症その1

桜の季節を迎えいよいよ春本番となりました。もろおか整形外科の諸岡です。今回は骨粗鬆症についてお話しましょう。
最近背中が曲り身長が縮んだと感じたり、重い荷物を運んだ後腰痛が2~3週続いたり、ちょっとした転倒で手首、肩、股関節の骨折した経験のある
50歳後半以降の女性は骨粗鬆症である可能性が高いと考えられます。骨は常に新しく作り替えられていますが、骨粗鬆症患者さんは
古い骨が壊される(骨吸収)ほうが骨がつくられる(骨形成)のを上回るので骨がもろくなり骨折しやすくなります。原因は、加齢、閉経による女性ホルモンの低下、運動不足、喫煙、カルシウム、ビタミンD,K不足や糖尿病、腎不全などの病気、ステロイド薬の影響などがあり、日本の女性では50歳後半の20%、80歳代の約50%が骨粗鬆症といわれています。1度骨折すると日常活動性が低下するので予防はとても重要になります。
予防、治療法は次回またお話ししましょう。

コレス骨折

年が明け、早くも節分を迎える頃になりましたがいかがお過ごしですか。もろおか 整形外科の諸岡です。
今年の成人の日は大雪に見舞われ大渋滞が多発、物流も滞り 改めて都市圏の雪による弱さを思い知らされました。これが数日続くと近所に買い物にも行けず地震用の食 料品の備えは積雪時も大切だと思いました。 積雪で路面が滑りやすくなり普段より骨折のけがが急増しました。特に目立ったのは女性の手首の骨折です。コレス骨折と言い手をつき受傷します。手首が腫れ横から見るとフォークを伏せて置いたように変形するのが特徴ですが変形がなても骨を押して痛みがあるようならばひび割れの可能性もあります。救急 処置は保冷剤や氷などでよく冷やし雑誌や添え木で固定、早急に近くの整形外科を受診しレントゲンを撮り診断、治療することが大切です。雪や日に備え滑り止めのついたシューズ他色々考え用意しておくと良いでしょ
う。